6月30日の昼休み

1,2,3限は流れるように終わり、楽しい楽しい実験のある4限、物理。しかし、予定されていた実験は先生の都合でつぶれて座学へと化した。俺はメランコリー状態で物理を乗り切り、この日の選択授業は終わった。午後の授業のために3C教室へ移動した。

週末の疲れに追い打ちをかけるような小雨が続いた6月30日金曜日の昼休み。

そんな、ごくごく普通の昼休みの話である。

亀より遅いクラスのPCで辛夷の作業をしようと思ったが、あいにく使用中だった。

することが何もなく、自分の机に入っていた持ち主不明、内容不明のマンガを読んでいた。

すると、弁当とプロテインを持ってK氏がやって来た。俺の机で弁当を広げて食べ始めるK氏。彼のプロテインを見て、俺は持参のプロテインを出した。君のは何味？から始まったプロテインの会話でK氏と盛り上がった。筋トレの質問なら彼にするといい。附高には少ない筋肉愛好家だからな。話がひと段落つくと、K氏はハイチューを一つくれ、どこかへ去って行った。

話し相手を失った俺は、近くにいたT氏のもとへ駄弁りに行った。彼はいつも、弁当のふたを半開きにしながら食べている。なぜかと聞けば、食べ終わったらすぐに閉められるようにだ、と彼は答えた。そんなT氏、常軌を逸した思考だけでなく、ギネス記録や、なんでもプロ並みにやりこなす能力も持っている。辛夷では制作チーフとして大活躍中。

しばらくして、Mくーん、と俺の名前を呼びながら近づくM氏。ただ名前を呼んだだけらしい。その後、突っ伏して寝ているO嬢に対して、席の前で全身で踊るM氏。起きないなぁー、と嘆くM氏。彼の頭は大丈夫なの？と心配する周囲の人々。どうやら、うるさいムードを伝えて起こしたかったそうだ。頭のねじが数ダースはずれているM氏だが、彼は、明石家さんまもびっくりなコミュ力の持ち主である。3mgでよいから分けてほしいものだ。辛夷ではアンサンブルで出演予定。

昼休みがもうすぐ終わる13時頃。席に戻ると、前に座っているP嬢がグミをくれた。彼女、いつでもどこでも突然踊りだす癖がある。昼休みよりにぎやかな3Cのコミュ英の授業では、だいたい踊っている。想像しやすいが、彼女は脅威のダンススキルを持っている。辛夷のPRのダンスは彼女が指導しているから、PR賞獲得は間違いない。俺は安心してPRの台本を書ける。

13時10分。無駄に長い鐘が校内に響き渡る。十分に糖分を摂取して、この日の昼休みは終わった。

次は、KWさんです。