特集 ~1950年代のアメリカプチ知識~
お待たせしました。今回は特集第一段ということで、今回は我が演劇「レディ・アンをさがして」の舞台となる1950年代のアメリカについて少し話したいと思います。
「レディ・アンをさがして」は、かの名高き名作「ローマの休日」を下敷きに書かれたラブ・ロマンスなのですが、舞台はトレビの泉や真実の口などをはじめ、優雅な雰囲気を漂わせる永遠の都ローマではなく、アメリカンビンテージ・古き良きアメリカと後世言われていく事になる1950~60年代のアメリカです。
この頃のアメリカは、いわゆる中流階級の人々にとって安定した時期であり、この頃に誕生した様々な文化が、今のアメリカにそのまま受け継がれています。
特に、55年以降はアイロンやミキサーなど、豊かさの象徴とされる家電製品が普及したり、自動車で出かけるようになったりしました。
そしてまた音楽では、Hound Dogなどの「オールディーズ」と呼ばれるジャンルが誕生し、エルヴィス・プレスリーの音楽に皆が道で踊り狂っていたような時代です。そしてこの「オールディーズ」は、ビートルズにも影響していく事になります。
そして、1955年のアメリカトップ1のビル・ヘイリー・アンド・ヒズ・コメッツの曲は、「ロックンロールの最初で最大のヒット曲」ともされ、黒人のジャズ歌手でピアニストのナット・キング・コールが活躍した時代もこの時代です。1950年代以降にジャズからポピュラーミュージックに軸足を移して、テレビにもたくさん出演して大人気となりました。
さらに、ハリウッド映画が注目を集めるようにもなったのもこの時代であり、マリリンモンローをはじめとするスターが活躍したのもこの時代です。(ex マーティ、エデンの東、七年目の浮気)
一方この時代は、アメリカ文化が大きく変わったこともあり、ソ連をはじめとする社会主義が台頭してくる時代でもあり、その後の「赤狩り」などにつながるきっかけとなった時代でもあります。(ちなみに、「ローマの休日」も赤狩りの影響をうけてたらしい、、、)
ここまで、長々と書いてきましたが、なんとなくでもこの時代のアメリカについてイメージすることは出来ましたか?少しでもイメージして頂けたら、「レディ・アン」を、もっと楽しめるんじゃないでしょうか。
古き良きアメリカを舞台とした「レディ・アンをさがして」。是非見に来てください。