「幻の舞台」
- MN
- 2017年9月3日
- 読了時間: 3分
クラスに同じイニシャルがもうひとりいますが、辛夷熱と宝塚愛!超強火のMNです。
私にとって今年の辛夷祭は人生9回目になります。初めて附高に来たのは小学校4年生、第55回の辛夷祭でした。
古くて大きな校舎、中央階段を登ると教室で楽しそうなゲームや食販、中庭ステージでは格好いいバンドが盛り上がり、タイのジュースを飲みながら校内をうろうろ、在校生お姉さんが着ている可愛らしいセーラー服…私はそのときから絶対にこの学校に通いたいと思いました。
初辛夷祭は3年演劇が観られなかったことだけが心残りで、翌年はしっかり下調べをして朝一番に行きました。75分の大作、本格的なセットやお衣裳、クラス全員で作り上げる姿に、会場の暑さも忘れてしまうほど惹かれました。
以来、毎年欠かさずの辛夷祭通い。(ちなみに初めて観た演劇は56期の「アルジャーノンに花束を」、最近気付いたことですが、私の1年生のときの担任ちりおのクラスでした。これも何かのご縁・・)
私は憧れの附高生になり、1年生のときは辛夷祭委員として初夜・後夜祭やMr.Miss.を運営、2年生ではクラスの食販で賞をいただき、部活で中庭出店、友達とガールズバンドを組んで中ステ出演と、辛夷祭を誰よりも満喫した自信があります。
そしてついに私たちが演劇をする年です。
重要な作品選びでなかなかピンとくるものが見つからなかったとき、ふとひとつの作品が思いつきました。私が小さい頃に、祖父母の家で昔の母の部屋で「レディ・アンをさがして」という本を見つけて読みました。可愛いプリンセスがこっそり抜け出し身分を隠してひとときの休日を楽しむ…素敵で少し切ないお話。母が作者の氷室冴子さんの作品のファンで、私も母の持っていた小説を何冊も読み、大好きな作家になりました。
この作品はもともと宝塚歌劇団をモデルにした漫画「ライジング!」の劇中劇で、その後小説として出版され、私はいつか大好きな宝塚で本当に舞台化してほしいとずっと思っていました。かなり昔にOSKでオリジナル上演されただけで、ほぼ舞台化されず漫画の中だけの幻の作品。お手本にする映像も資料も何もなく、演出や大道具など全てゼロから考えなくてはいけないため、とても難しくリスキーでこの作品を提案しながら正直不安も大きかったです。
まず、著作権をとることから苦労し、その後2幕分の台本(小説)を75分劇に潤色。
大道具、小道具班は、ト書きと小説と漫画から講堂でできるセットを考え、お衣裳やメイクもお役のイメージに合わせて用意、制作班は作品の空気感そのままの素敵なロゴやパンフレットを作り…
元はミュージカルの設定なので劇中曲がストーリーのキーとなっているため、作詞・作曲から音響班による完全オリジナルソングを生み出し、完成したプロ並みに素敵な曲をキャスト中心にみんなで歌っています。
3C全員が大きな役割を持ち、それぞれの担当で重要かつ膨大な仕事をして、これまでの辛夷演劇の中でもかなり特殊で難しい作品を作り上げた、最高に充実していた今年の夏休み。
いつか観てみたいと思っていた「レディ・アンをさがして」が、辛夷祭で自分のクラスで舞台化されるというミラクルな幸せ。
原作の一ファンとして嬉しくて楽しみで仕方がありません!
私は演出補佐としてどっぷり作品に向き合い、そしてアンサンブルキャストとして何場面かにさまざまな役で出演もします。
ひとりでも多くの人に、この奇跡の舞台を共有していただきたいと強く強く願っています。
ぜひ観にいらしてください!!
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